モンゴルで理学療法士

青年海外協力隊として2014年10月~2016年10月、モンゴルに派遣。その記録です。

活動報告

今日は、私の活動がぐっと進んだ気がするので書き留めたいのですが、

まず初めに、モンゴルで行われている報告会について書いておこうと思います。

 

JOCVとして派遣されている2年間の間に、2回、報告会を行う義務があります。

これは、JICAモンゴル事務所の中で、JICAモンゴル事務所のボランティア担当スタッフやボランティアの方々、その他興味のある関係者の方々に向けて自分の活動やモンゴルでの生活などについて20分間発表し、質疑応答を受けるものです。

 

目的としては、JICAスタッフへのフィードバックと、他のボランティアへの活動の周知やモンゴルでの活動や生活について情報共有の場といった感じで行われていると理解しています。

 

いままで、4回の中間報告と5回の帰国報告会に出席しています。

首都で報告会が行われるので、9割がた出席しています。

 

中間報告の内容にはパターンがあって、

大体の方が、自分たちが要請された理由が書かれた「要望調査票」をもとに、

まず、要請理由を説明。

そして、実際行ってみて、現地がどうであるか、どのような活動をしているか報告。

その中で見つけた課題が何なのか説明。

最後に、残りの1年をどうしていくか、ということに繋げて報告しています。

 

帰国報告の方が、人によってバリエーションが様々です。

こんなに大変な活動だったよ

こんなに活動できたよ

全然できなかったけど、モンゴルのここは面白かった

頑張ってみたけどモンゴルのここはやっぱり受け入れられなかった

自分がもっとこうしたらよかった

こんな方法で工夫したらうまくいったよ

JICA事務所には、あのときこうして欲しかったよ

などなど。

人によって熱量の違いがまざまざと感じられます。

習得した馬頭琴の腕前を披露してくださる隊員もいました。

それぞれ、配属先からもらったり、個人で作ったりした民族衣装のデールを着て発表して、帰国隊員で集合写真を撮る隊次が5回中、4隊次ありました。

 

報告会はいろんな方向から、まとまった意見が聞けてとても面白いです。

日本人が感じているモンゴルについて、たくさんの情報を得る機会として活用させてもらっています。

あと、モンゴルには様々な職種が派遣されていますが、それによっても話し方やプレゼンテーションの手法が異なるので、発表の仕方も勉強させてもらっています。

学校隊員や青少年活動隊員、理数科教師隊員などは、現役の小学校や高校、中学校の先生も多いです。

ゆっくり話したり、易しい言葉を選んで説明したりする話し方だけでなく、

パワーポイントで絵を織り交ぜたり、参加者への質問を投げかけたり、わかりやすく、興味を引く話し方というのを心得ていらっしゃってとても勉強になりました。

 

わたしも、去年の10月に、モンゴルに来て1年を迎え、1回目の報告会である「中間報告会」をさせてもらいました。

わたしの目標は3つ。

  • モンゴルの人々の健康と幸せを支援すること
  • 一人前の理学療法士になること
  • モンゴル語が話せるようになって日本で活かすこと(医療通訳?)

上の2つはたいへん抽象的ですが、2年間で完結する目標でもないのが、追及のし甲斐があっていいと思っています。

そして、仕事するうえでの一生の目標でもあります。

 

わたしの要請調査票の要請理由には、以下のように書かれていました。

  1. 主に脳卒中の患者に対し、症状にあったリハビリ計画やカルテ記録を作成し、リハビリを施す。順次、他の疾患患者への同様の活動を展開していく。
  2. 早期のリハビリ開始の重要性を同病院内に定着させる。
  3. WHO提供のリハビリ機器の使用法を同僚へ指導し、その危機を使ったケアを実践する。

正直、配属されてみて、この内容とは全部違いました。

 

1について、同僚は、脳卒中のカルテはきちんと書いているし、段階的な離床のための早期リハビリテーションは実施しているように見られました。

なにより、リハビリ計画について聞きたくてもモンゴル語はわからなくて戸惑っていました。

2については早期リハを病院に定着させるなんてざっくり書かれても、よく意味も分かりませんでした。

3についてWHOの機器が提供されたのは1年以上前のことで、前任の方がかなり指導してくれて、日本の病院にも滅多にないような危機を同僚が使いこなしていました。

わたしも使ったことのない機器のことを聞かれても困ります。逆に教えてもらったくらいです。

 

 

日本での就職先探しだって、職場の悪いところなんてあえて書かれているわけありません。

現場に行ってみて、自分が感じて考えて職場にとって必要なことをして働くのは、当たり前のことです。

 

大事なことは、「自分には何ができるのか」ということです。

やりたいけど、力量不足や環境がうまく合わなくてできないこともいっぱいあります。

でも、タイミングよくうまくハマって、とんとんできることが上手くいくこともたくさんあります。

特に、モンゴルの人は、「勢い」がすごいんです。

準備期間がすごい短くても、動き出すと一気に最後まで完成させる力があります。

 

だから、丁度よく、協力してくれる人がいるときというのが、タイミングが合うときだと思っています。

 

常々、やりたいことや、できること、これまでやってきたことについて表現してきました。

「モンゴルの文化が知りたい」といったら、配属先に行って1週間目で、モンゴルの同僚のうちに泊めてもらいました。

テレビをのんびり見て、韓国料理を作ってもらって、同僚のアルバムを一緒に見て、伝統衣装のデールを着て写真を撮らせてもらって、伝統料理のボーズをお母さんと一緒に作って、帰り際にはお土産をもらいました。

 

「今使ってない部屋を改修してリハビリテーション室を新しく作りたい」と相談された時には、JICAのボランティア調整員さんという相談役の方に相談しました。

JOCVを支援してくれる団体に資料を送ったり、大使館にアポ取って上司と相談に行ったりしました。

でもどっちうまくいかなくて、改修資金を調達することはできませんでした。

最終的にJICAモンゴル事務所に、わたしが申請できる予算をお願いすることになりそうです。

 

「新しい科からのリハビリ依頼を増やしていきたい」と言ったら、理学療法士の同僚には「それは、あなたの仕事じゃない」と却下されました。

しかし、あとあと、上司から同僚と協力してカルテを作って糖尿病と人工透析をしている患者のリハビリテーションを始めてほしいと言われました。

前職場でも、人工透析の患者さんや糖尿病の方とは継続的にリハビリテーションしてきたことを話してありました。

 

今日、ついに、透析のリハビリテーションを開始しました。

理学療法士の同僚は残念ながら休みでしたが、上司と二人で透析室で評価と、透析前になぜリハビリテーションをするのかということについての説明と、簡単な筋トレやストレッチを指導しました。

まだまだ、カルテは未完成で修正が必要だし、

まだまだ勉強不足だし、同僚もたぶん、さらに勉強不足だけど、

上司に引っ張ってもらってチーム一丸となってやりたいと思います。

おっしゃーー仕事のテンションゆっくりと上がってきました!!

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カルテ

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透析室の看護師さんが上司とわたしの評価と治療に興味持ってくれていました。

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頑張ります。