モンゴルで理学療法士

青年海外協力隊として2014年10月~2016年10月、モンゴルに派遣。その記録です。

第三病院の世界理学療法の日

9月8日は、世界理学療法の日でした。

 

去年は、アルハンガイ県に自主出張していたので、配属先ではどうなっていたのか知りませんでした。

 

yuki12-99.hatenablog.com

 

今年は、新しい部屋がオープンしたのもあって、盛大にパーティーが開かれました。

 

看護師さんのあいさつから始まって、

一番若手の男性理学療法士が、理学療法について話していました。

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そのあと、脳卒中の入院患者に協力していただいて、

4年目、当院で一番古株の理学療法士が、デモンストレーションをしていました。

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今年、理学療法、作業療法に関するポスターなどをまとめたカレンダーを作成していました。

当院の院長にプレゼントしながら、科長が説明する場面も。

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もともと伝統治療科の看護師さんですが、インドで半年研修を受けて理学療法士勤務している彼女は、部屋を訪れた院内職員の皆さんをおもてなしをしていました。

 

同じく、一緒に半年インドで作業療法士として当院で勤務している彼女も、

前作業療法士隊員とともに作った自助具を紹介していました。

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右が研修を受けたモンゴルの作業療法士、左は8月から勤務しているJICAボランティアの作業療法士隊員。

 

このような感じでお昼は、院内の人たちをもてなし、

夕方はリハビリテーション科内の医師、看護師、コメディカルスタッフを対象にJICAボランティアでセミナーをさせてもらいました。

 

忙しい中、わざわざ来てくださった、国立リハビリテーションセンターで働く、言語聴覚士隊員

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写真が多くて、すごくわかりやすかったです。同僚みんなが一番聞きたかった内容でしたので、大好評でした。

嚥下障害の食事形態のお話しがメインでした。

彼女の作った動画も、大好評。Facebookで見ることができますので、興味ある方は調べてみていただけると幸いです!

「JICA MONGOLIA SOLONGO BULGEM」で検索すると出て来るようです。

 

当院の、待ちに待った作業療法士隊員

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まだ赴任して1か月もたっていないのに、セミナーを一から作ってくださって、

慣れないモンゴル語で一生懸命に話す姿が、すごく勉強になりました。。

きっと、同僚みんなにも感じるものがあったと思います。

 

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内容、色々考えて作ったプレゼンテーションをみせたところ、さらっと却下されて

「フブスグル県でやったプレゼンテーションをやりなさい」と。

 

一気に仕事が減ってほっとしたのもあるんですが、

「最後のまとめぇぇぇ!」

「気合い入れなきゃあああ!」と思った気持ちが宙ぶらりんになりました。

 

一応、今回やったスライドの中にも、今まで伝えたかった事はたくさん入っていたので、

ついでに口でいろいろ伝えて、勝手にすっきりしました。

伝わっているといいけれど。

当院は、伝えるよりも、実際のシステムをどうにかしなきゃ、どうにもならないところに来ています。

「国の制度が、こう変わったら、こうなっていくと思う」、と話しました。

 

さて、終わるまでにもう一回セミナーするか、せんか。。

その前に、出張が一回、会議が一回。

気を引き締めなくては。

土曜日には、シンガポールから私の大事な同僚が帰ってきます。待ち遠しい。

 

日本語:世界理学療法の日、おめでとう!

モンゴル語:Дэлхийн хөдөлгөөн засалын өдрийн баярын мэнд хүргэе! 

英語?:Happy to World Physical Therapy Day!

 

第20回 草原マラソン

帰国まで24日になりました。

 

今日も淡々とブログを書きます。

 

先週の日曜日に「第20回 草原マラソン大会」が開催されました。

去年は旅行と重なってしまい、参加できなかったので、今年は念願の初参加でした。

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参加者さんと、開会式。

日本からのお客さんもたくさん。

ホテルからバスが出ていて、草原まで1時間弱移動して開催されました。

ナーダムのときには、競馬の会場になるところで行われました。

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日本からアイドルが来ていました。

ええと、最上もが、がいるグループの方々です~
かわいかった。

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日本とモンゴルの共同開催だったみたいです。

日本からのお客様、本当にたくさんの方が参加していらっしゃいました。

マラソンの開催を支えたのは、JICAボランティアの方も参加していた、

ボランティアと、学生アルバイトの方々だったそうです。

本当に長い準備期間含めて、お疲れ様でした!

 

3キロ、5キロ、10キロ、ハーフ、100キロの部がありました。

100キロの方々は、すでに早朝に出発していらっしゃいました。

わたしは、膀胱炎治りかけで、何キロ走ろうか、直前まで悩ませていただきました。

結局、10キロ行けるかな、ということで。10キロに。

今まで10キロは練習無しでも2回走ったことがありました。

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ハーフと、10キロの選手は一斉に11時半ころにスタートしました。

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草原に人が一列に駆けていくって、こんな景色なんですね。

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草原には、馬の骨も。

曇り空がちょうどよかったです。

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こんな景色の中、隊員同士で抜いたり抜かれたりしながら

結局、途中から安定して3人でずっと話しながら走りぬきました。

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歩かなかったマラソンは初めて。

記録も、ちゃんとしてないけど、1時間15分で走り切りました。

わたしの記録更新でした。

(田沢湖マラソンという、9月に秋田県で行われるマラソンに4回参加していましたが、

あそこは坂道がキツいんです。。)

左膝がいつも調子が悪くなるのですが、案の定、今回も走り終わってから、すぐ痛みがきました。。

草原という柔らかい土の上だったので、まだマシでした。

 

日本人の方が、ハーフで表彰されていました。

商品はなんと・・・

これです。

f:id:yuki12-99:20160911234534j:plain羊一等。

しかも、障がい者支援関係のJICA専門家の方です。

 

100キロの部でも、日本人の方が入賞されました。

商品は・・・・

なんと・・・

コレ。

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食べても、育てても、自由です。

 

羊はとりあえず、牧場で管理してもらって、来年食べるそうです。

いいな~

 

走った後は、ゴミ拾いボランティア。

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途中、ハーフを走っているJICAボランティアや一般の方々を応援しつつ、

ごみの多く落ちていた付近に行くため、一般の車に乗せてもらって途中まで移動しました。

帰りは、撤収荷物を運んでいた救急車に乗せてもらって、無事に帰りました~

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帰国が近づいて、欝々としていた気持ちが、

久しぶりに走って、他のボランティアにもいっぱいいろんな話聞いてもらって

デトックスさせていただきました。

 

いくらボランティアでここにきてて、

献身するべき身ではありますが、

モンゴルの方々に頼まれたって、できることとできないことがありますから!!!
できないことはハッキリ断らなければ!!!

という意思を、いま一度しゃんと持つことにしました。

 

さ、活動が集大成です。

 

8日は、世界理学療法の日でした。

理学療法士のみなさま~!

健康と、ますますのご活躍をお祈りしております!!!

甘いモンゴル

免疫力低下により、膀胱炎になってしまい、

先週ずっと、体調が絶不調でした。

 

そんなわたしを救ったのは!

 

友人とか、家族とか、休暇を取らせてくれた上司とか同僚とか、

もう挙げればいろいろありまして、

すべてに感謝しております。

 

が!

今日ご紹介するのはこちら!

 

膀胱に優しい食事!

 

スイカ!

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利尿作用があるということで、

膀胱炎にはもってこいでございます。

しかも、水分摂りすぎで水を飲むのがつらくても、スイカはサクサク食べられて、嬉しい。

 

モンゴルのスイカが、旬を迎えていて

安くて、甘くておいしい~!

 

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去年は、スイカなんて見向きもしなかった。

モンゴル産のトマトとキュウリ、

そして旅行に気を取られて家を留守にしているうちに、夏のみずみずしいシーズンが終わっていました。

 

今年は、モンゴルのジムス(果物)のすばらしさを少しは知れたように思います。

 

お野菜も格安で、

セントラルヒーティング代もかからないので、光熱費も格安で、

ドルもドル高で、おさいふは冬よりは余裕があります。

(生活費をドルでいただいております)

モンゴルの夏って、何もかも素晴らしい~ 

 

そんな夏の置き土産を堪能しつつ、

ぐっと近づく秋の陽気の中、今日は草原マラソンで走って参りました。

その様子は、また後日。

明日から新年度

充実した日々があっという間に過ぎ、

もうモンゴルはすっかり秋です。

 

まだ10℃程度ですので、それでも温かいと思いますが、

長袖の上に、ジャケットが必要になってきました。

と、これは一昨日書いたのですが、今日は20℃もありましてジャケットは暑かったです。

春のような風や雪までの変化はありませんが、相変わらず寒暖差が激しい、モンゴルの秋です。 

 

最近の変化を少し。

まず、トランペットを吹いて吹いてと言ってくれて、巾着をプレゼントしてくれた女の子。

「明日、田舎に帰るの」

「きょう時間ある?吹いてね!」

と言ってくれていた夜、残念ながら彼女に再び会うことはありませんでした。

9月になったら、学校が始まるので、

田舎に帰ってしまいました。

結局、全然教えてあげられなかったなあ。

 

23時くらいまで遊んでいた子どもたち。最近は21時に日が暮れて寒くなるので、

外で食事して帰ると、もういなくなっています。

 

昨日、久しぶりに子どもたちに会えて、演奏を聴いてもらえました。

携帯を取り出して録画する女の子もいました。

ハイテク小学生です。こっちも写真撮ってもらいました。

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モンゴルの学校は、明日から新しい学期、新しい年度の始まりです。

 

わたしも、最後の活動できる月の始まりです。

来週には、活動の総まとめ発表会をさせてもらう予定になっています。

オープン記念式典

先週の金曜日のお昼に、予定していた心臓リハビリテーション室の新装開設記念式典のようなものが執り行われました。

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火曜日くらいからあわあわと準備していて、

前日も、「ハサミ、ハサミ」と同僚が探していました。

ここに使われていました。

 

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左から、リハビリテーション科長、医院長、JICA事務所から来ていただいたボランティア調整員。

事務所からは通訳も務めてくださったモンゴルのナショナルスタッフの方にも参列?していただきました。

 

廊下はこんな感じ。

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新しい部屋は、15番の部屋になりました。

 

部屋は、3ブースに分かれています。

着替え室

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運動負荷試験室

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運動療法室

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運動負荷試験のためには、運動前後で心電図を比較するための

印刷できる、もしくはメモリー機能付きの心電図が必要だと思いますが、

私たちの部屋には印刷できないタイプのものしかありません。

これでは、運動に関連する心筋虚血の状況や不整脈の有無や程度を測るという運動負荷試験の意味が薄れます。

 

現在は安全面と、担当医師の産休、夏休みで患者さん自体が減少していることなど色々な状態を含めて、(だと個人的に思っています)運動負荷試験は積極的に行われていません。

当院の循環器科の検査室が3階にあり、ここにはメモリータイプの心電図があり、現在はここで運動負荷試験が行われているのですが、今後はこの設備を、この部屋に移動させるかもしれないとのことです。

 

今週末から、同僚の理学療法士が2名、シンガポールへ心臓リハビリテーションを学びに行ってきます。

日本じゃなくてシンガポールか、と思いましたが、、

心臓リハビリテーションに関しては私が同僚からいつも学んでいます。

 

新しい心臓リハビリテーション室

過去に、リハ科にあったお部屋をご紹介します。

 

1.浴槽付きのシャワー室、シャワー室、サウナ室

この部屋は、中でつながっているので、全体としては1つの部屋とカウントしています。

2.地下に砂風呂

怖くて降りたことないですが、確かに地下と浴槽らしきものもあります。

3.大きな浴槽が3つほどあるお部屋

 

多分これらは、水治として利用されていたようですが、

維持に手間とコストがかかる、

患者自身も手間がかかる

利用できる人が限られるなどの理由で縮小化してきたと考えられます。

 

これは推測にすぎませんが、日本の大学病院や大きな病院でも、かつて使われたプールや浴槽が今はもう使われていない、というのはいくつか見たことがあります。

 

上記3つの部屋のうち、1だけは2015年の6月頃まで稼働していたように記憶しています。

それが、7月には、こんな状態になっていてびっくりしました。

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もともと、3つの空間に区切られていて、浴槽が4つと、洗濯機、着替えのロッカーなどがありました。

元の写真がなくて残念です。。

 

この部屋の改修を、上司から相談されました。

 

すぐに、JICA事務所の調整員さんに相談したところ、

「小さなハートプロジェクト」という、JICAボランティアを対象にした基金を紹介してもらいました。

必要書類を作成して、応募する準備をすることにしました。

しかし、通るかどうかわからないので、いくつか同時に検討してくれないか、と言われました。

 

もう一つ、大使館に「草の根協力」というプロジェクトがあり、世界中から1000万円までの資金協力が得られるものに目を付けました。

草の根を具体的に検討し始めた時にはすでに10月になっていました。

 

担当の方とメールでアポを取り、11月に具体的にお話を聞きに上司とともに大使館へ行きました。

しかし、できれば、1月に工事を終えたい、と話す病院側と、

今年中の応募はもう締め切られているので、資金協力が得られるのは4月以降になってしまうという、日本側の事情がかみ合わず、応募できませんでした。

 

今回の改修費用は、1000万円もかかるような規模のものではなく、

病院内の改修工事担当の方々が中心となって工事を始めているところに、

必要な砂やセメント、ペンキなどの舗装、塗料などを購入する資金を集めてくれないか、というようなものでした。

 

ここからしばらく経って、シンジルの飾り付けをしている最中の12月中旬、

モンゴル事務所長が第三病院に視察に来てくださいました。

 

その折、「どんな金額でもいいから、少し手伝ってほしい」という配属先の要望をお話ししたところ、

「申請してみてください」ということになり、ボランティアに予算がついている

上限10万円までの支援、「現地業務費」を申請させてもらうことになりました。

 

 

書類作成に膨大な時間がかかりました。3月末に初めてお金をJICAからお預かりしました。

 

途中、何度も期日が延び延びになり、実際行われなかったどうしようとヒヤっとしたこともありました。

 

2016年5月中旬、突然にようやく工事が開始。

 

2016年7月1日、新しい部屋が完成しました。

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明日は、このお部屋のお披露目パーティーが開かれます。

第三病院のプール

配属先の話を少し。

 

配属先の第三病院のリハビリテーション科内には、豪華なプールが、去年新設されました。

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実際は新設、ではなく、改装だそうで、

昔は深度5ⅿほどある、飛び込みもできるような深くて、この場所全面プールだったような広い浴槽があったそうです。

このプールが作られたこと、配属されて1年たつまで知りませんでした。。

 

こんな立派なものがありながら、残念ながら、稼働していません。

今年の6月、初めて水が張られているのを見ましたが、患者さんが入っている様子はありません。

 

プールサイドには豪華なシャワーもあります。

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上は、プール側から、入り口を撮った写真です。

開いているドアの左側が男性用、右側が女性用になっています。

それぞれの部屋にきちんと鍵がついています。

看護師さんも一人常駐しています。

平日は朝から夕方まで患者さんに使用されています。

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中には、上から下まで、放射状に水が勢いよく出るシャワーがあります。

担当看護師さんと水が出ているところ。

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このシャワーを使用できるのは、ちゃんと「水治」と処方されている方のみとなっています。

 

さて、昔は、シャワー室は別にありました。

サウナ室と一緒になっていて、私が配属されてしばらくは稼働しておりましたが、

去年の夏ころにぱったりとその部屋の使用を終了したのは知っていました。

 

多分、この新設のシャワーが使えるようになったからだと、あとから知りました。

 

そして、、、この変化が、のちに私の活動に影響を及ぼしてきました。。

続く。